女性恐怖症から抜け出した時の話

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僕は小さい頃から父親に厳しく育てられました。
父親は、男らしさとか、女らしさにこだわっていて、男とはこうあるべきだ、女とはこうあるべきだという話をよくしていました。
その「らしさ」というのも、あくまでも父親の基準でしかありません。

男は、坊主だ。
男は、女とへらへら話してはいけない。男は、無口でいろ。
男は、女に馬鹿にされてはいけない。

これ以外にもたくさんあるんですけど、幼稚園や小学校低学年くらいの頃からそういう話を聞かされていました。
僕が、小学生になったばかりの頃、ある日父親は言いました。
「男は、女からモノをもらったり、奢ってもらってはいけない。お前、まさか、そんなことはしてねぇだろぉなぁ」

僕は、ドキっとしました。
その時、数日前の出来事を思い出していました。
あれは夏の暑い日でした。
近所の女の子の家に遊びに行ったら、そこのお母さんが「暑いでしょう。これ食べなさい」とアイスをくれたんです。
僕は、素直にそれを受け取りました。

その話を正直に父親にいったところ、父親は激怒しました。
「お前は男じゃねぇ! 情けねぇ! そんなんだったら、金TAMAとってしまえ!」

余談ですけど、父親は、男らしくない行動に対して「そんなんだったら、金TAMAとってしまえ」が口癖でした。
今振り返ってみると笑えますけど、当時は恐怖でした。

それ以来、僕は、女性からモノをもらうということを一切しませんでした。
友達だけでなく、友達のお母さん達からも何ももらいませんでした。

友達のお母さん達は、飴とかお菓子を「これ食べなさい」と差し出してくれていたんですけど、僕は全て断りました。
そういうことを何回も繰り返しているうちに、変な子だねと言われるようになったんです。
それでも父親の教えを守るしかありません。

男は無口でいなければいけないという父親の言葉がずっと頭の中にありました。
髪型は坊主です。
暗くて変わった格好をしているので、女の子たちからも気持ち悪いと言われたこともあります。
小さい頃は、ちょっとした言葉でものすごいショックを受けるもので、気持ち悪いと言われた時は相当落ち込みましたね。

女性と関わってはいけないのではないかと思うようになり、どんどん暗くなっていきました。
中学生になった頃から、女性に対して恐怖心を持つようになっていきました。
女の子から声をかけられても、話せなくなってしまったんです。
例えば、廊下ですれ違った時に「おはよう」と声をかけられても相手の顔をみることはもちろんできませんし、挨拶を返すこともできなくなってしまいました。

お恥ずかしい話なんですが、膝がガクガクして、心臓が破裂しそうになるんです。
極度に緊張してしまって、言葉が出ません。
クラスが変わった女の子とかは、廊下ですれ違うと「最近、元気?」と声をかけてくれたりするのですが、言葉がでないんです。
下を向いたままとにかく早くその場から立ち去ることしかできませんでした。

高校は工業高校で僕のいたクラスは全員男でした。
女性の多いクラスもあったので、時々女性から話しかけられたり、挨拶をしてくれることもあったのですが、やっぱり僕は、下を向いたまま急いで立ち去ることしかできませんでした。
女性に話しかけられただけで、膝がガクガクして、異常なくらい緊張して言葉が出なくなってしまうんです。

今振り返ってみると、女性たちからすると僕が無視をしたとしか思っていなかったでしょう。
本当に失礼なことをしてしまったと思っています。

高校を卒業してから工場で働きました。
工場は男性しかいなかったんですけど、事務所には同い年くらいの女性が何人かいて、食堂で顔を合わせることもありました。
いつものパターンなんですけど、最初は女性たちも明るく挨拶をしてくれたり、話しかけてくれたりするんですけど、僕がそれに全く反応ができないので、そのうちみんな離れていくんです。
多分、あの人なんか変とか、キモイと言われていたと思います。

いよいよ、僕もこのままではまずいと思うようになりました。
このままだったら、一生彼女もできないし、なんとか女性恐怖症を克服したいと思いました。
かなり勇気のいることでしたけれど、女性と話さなければいけない状態にすれば変われるんじゃないかと考えて、コンビニに求人雑誌を買いにいきました。
そこで見つけたのが喫茶店のアルバイトでした。
当時僕は19歳だったと思います。

西日暮里にある、喫茶店でアルバイトをはじめることにしました。
喫茶店には、男性だけでなく女性も働いているだろう、という理由でそこに決めました。
仕事で女性と関われば嫌でも話せるようになるんじゃないかと思ったんです。
毎日、アルバイトに行く前は、お腹が痛くなって、なんでこんなアルバイトをはじめてしまったんだと後悔したこともありました。
そこの喫茶店は、なんと僕以外全員女性でした。
確か7人くらい働いていたんですけど、店長も女性です。
店長が厳しかったのが、また良かったのかもしれません。
ハキハキと話す女性で、もっと大きい声でいらっしゃいませと言いなさい、と何回も怒られました。
緊張している余裕がないくらい、忙しいこともあって、少しずつ慣れていきました。
従業員の女性のみなさんとも会話ができるようになり、あのお店で働いたことで、僕はかなり変われたと思います。
女性も人間なんだと思えるようになりました。
そんなに怖がらなくてもいいんだと思えるようになりました。

今回は、僕の体験をお話ししましたけれど、人は変われます。
自分を変えたいと思ったら、ちょっと勇気はいりますが環境を変えてみるというものいい方法です。

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上田基プロフィール

上田基(うえだ・もとい) 1976年生まれ北海道出身。元・時給850円のフリーター。現・株式会社トップエンドレス代表取締役。家出・家族崩壊・両親自殺・詐欺に騙されるなど波乱万丈の人生を送る。30歳で起業、上場企業をはじめ講演会・個人向けのコーチング・カウンセリングなども行っている。著書は『心が強くない人が仕事で苦しまないストレスフリー思考』<経済界>など4冊出版。恋愛経験も豊富で電話相談では主に恋愛の相談が寄せられている。人気カウンセラーランキングベスト5入り多数。
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